超長基線アレイ (Very Long Baseline Array, VLBA) は、長基線天文台 (Long Baseline Observatory) が運用する電波望遠鏡である。VLBAはアメリカ国土全体に配置された10台のパラボラアンテナからなり、ニューメキシコ州ソコロのアレイ・オペレーションセンターから遠隔操作される。VLBAは超長基線電波干渉法 (VLBI) の技術を用いて複数のパラボラアンテナを結合し、ひとつの巨大な電波望遠鏡として運用される。同種のVLBI専用システムとしては世界最大である。建設は1986年2月に開始され、1993年5月に完成した。10台のパラボラアンテナを結合させた観測は1993年5月29日に始まった。建設にかかった費用は8500万ドルである。建設と運用はアメリカ国立電波天文台 (NRAO) が行っていたが、2016年10月1日にNRAOから分離・独立した長基線天文台が運営を行っている。

個々のVLBAステーションは口径25メートルのパラボラアンテナとコンピュータやデータ記録装置などを収容する制御施設からなる。アンテナの重量は218トンであり、真上を向いた時の高さは10階建ての建物に相当する。最も長い基線は8611キロメートルである。

VLBAのアンテナは、以下の場所に設置されている。

  • ハワイ州 マウナケア山 (北緯19度48分04.97秒 西経155度27分19.81秒)
  • ワシントン州ブリュースター (北緯48度07分52.42秒 西経119度40分59.80秒)
  • カリフォルニア州 オーウェンズヴァレー (北緯37度13分53.95秒 西経118度16分37.37秒)
  • アリゾナ州 キットピーク (北緯31度57分22.70秒 西経111度36分44.72秒)
  • ニューメキシコ州 パイタウン (北緯34度18分03.61秒 西経108度07分09.06秒)
  • ニューメキシコ州 ロスアラモス(北緯35度46分30.45秒 西経106度14分44.15秒)
  • テキサス州 フォートデイビス (北緯30度38分06.11秒 西経103度56分41.34秒)
  • アイオワ州 ノース・リバティ(北緯41度46分17.13秒 西経91度34分26.88秒)
  • ニューハンプシャー州 ハンコック (北緯42度56分00.99秒 西経71度59分11.69秒)
  • アメリカ領ヴァージン諸島 セント・クロイ島 (北緯17度45分23.68秒 西経64度35分01.07秒)

これ以外に、下記の4地点の電波望遠鏡が4カ月間に最大100時間の割合でVLBAと共同観測を行う。このとき、VLBA は High-Sensitivity Array という名で呼ばれる。

  • プエルトリコ, アレシボ天文台 (北緯18度20分36.60秒 西経66度45分11.10秒)
  • ウェストバージニア州 グリーンバンク望遠鏡 (北緯38度25分59.24秒 西経79度50分23.41秒)
  • ニューメキシコ州, Very Large Array (北緯34度04分43.75秒 西経107度37分05.91秒)
  • ドイツ, エフェルスベルク電波望遠鏡 (北緯50度31分30秒 東経6度53分00.3秒)

基線長と角度分解能

VLBA各局の間隔(単位はキロメートル)は以下の通り:

最高角分解能は以下の通り:

脚注

関連項目

  • 電波望遠鏡一覧

外部リンク

  • Very Long Baseline Array

地球上から撮影されたこれまでで最も高解像度な月面の画像 ナゾロジー

超高層ビル by 基線長 (ID:11331917) 写真共有サイトPHOTOHITO

UVから近IRまでをカバーする超伝導焦点面アレイ オプティペディア Produced by 光響

渦巻き銀河M33のドップラー画像 [STAR☆GET]

巨大ブラックホールがお互いを周回する様子、初めて観測される