近江屋(おうみや)は、日本各地で店舗や企業、家の屋号として使われる名称。
京都・河原町通の近江屋
幕末に坂本龍馬や中岡慎太郎が暗殺された事件(いわゆる「近江屋事件」)の舞台となった京都・河原町通の近江屋は、由緒ある醤油屋であった。
店を営んでいたのは現在の四条河原町一帯に土地を持っていた名家・井口家で、幕末の井口新助の代に土佐藩の御用達となり、店の2階(井口邸)が龍馬らの滞在先となっていたという。なお近江屋事件の詳細については当該項目を参照。
店としての近江屋は現存しない。新助の子孫が昭和前期まで「近新商店」の名で醤油を製造していたが、それも戦後に廃業となった。
幕末当時に店を構えていた場所は、現在「坂本龍馬 中岡慎太郎 遭難之地」と記された石碑が建っている場所の南隣にあたる。建立場所が隣地になったのは、1927年の建立の際、近江屋跡の土地所有者の了承が得られなかった一方で隣の水島善太郎が快諾し、加えて中岡が水島家の屋根に逃れた逸話もあったことから、隣の水島家も関係地として扱われたためとされる。碑には子孫である井口新之助とともに隣地の所有者である水島善太郎の名がある。
なお、近江屋跡の北隣にあたる石碑の場所には、過去には京阪交通社やサークルK、回転寿司店があった時期もあったが、2024年8月23日よりカラオケ店の「ジャンカラ 京都河原町近江屋店」が立地している。
井口家の墓は金戒光明寺にある。元裁判官の井口博は井口新助の末裔にあたる。
出典
関連項目
- 近江屋事件
- 坂本龍馬
- 中岡慎太郎




